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1話から怒涛の展開。書き込みの多さと“100人分の命”に心掴まれた

── 今回、中島さんが「切り抜きジャンプ+」で切り抜きたいマンガとして選んでくださったのは『ケントゥリア』(暗森透、集英社)です。読み始めたきっかけは覚えていらっしゃいますか?

なんとなく「最近、目にする機会が多いな」という感覚があったので、読んでみようかなって。海外色の強いファンタジー作品は、今まであまり触れてこなかったんですよね。あらすじだけ見て、とりあえず読み進めてみたら、序盤から怒涛の展開に引き込まれました。

101人の奴隷が乗った船の中で、奴隷同士の絆や愛情が生まれたと思ったら、保険金目当ての船長の命令で殺戮が始まるし、まだ子どもの主人公・ユリアンと妊婦のミラを守るために、ほかの奴隷たちが次々に殺されてしまうし。しかも、いきなりタコみたいな異形が出てきて......。書き込みもすごくて、一気に『ケントゥリア』の世界観に心が掴まれましたね。

── その異形は「海の神」であり、「大量の魂」と「真の愛」と引き換えに100人分のパワー、速さ、体力、反射神経、そして命を異能としてユリアンに授けるわけですが、本当に第1話から怒涛の展開ですよね。

そうなんですよね。“100人分の命”という具体的な数字が冒頭から示されているので、どうしてもその先が気になってしまって(笑)。きっと物語が進めば進むほど、命の数は減っていってしまうし、その命の使い方やユリアンの葛藤が物語の展開に作用するんだろうなと思い、これは続きを追いかけようと決めました。

── この作品もバトル漫画ではありながら、正義や善悪とは何かと問うような、まさに哲学的な要素がありますよね。

たしかに、道に背いても大切な人を守ることを選んだり、いわゆる悪として描かれる側にも事情があることがわかったり......。キャラクター一人ひとりに、それぞれの立場や考え方があって、自分の気持ちに従って生きることの難しさ、みたいなことをあらためて認識させられる気がします。残酷な部分もありますが、血のつながりだけではない、人と人の絆や家族の愛を描いているのも、この作品ならではの魅力だなと思いますね。

── とくにお気に入りのキャラクターはいますか?

どのキャラクターも魅力的ですが、ルーカスかな。

── 元傭兵で2つの異能を持ち、じつは王の隠し子でもある。今後キーパーソンになりそうな青年ですね。

はい。飄々としていて、かっこよくて。たぶん主人公・ユリアンたちの味方だけど、まだまだ謎が多いキャラクターだなって。ここからどんどん深掘りされていくと思うので、そこも楽しみです!

一枚絵としてのかっこよさと、悪役ならではの洗練された魅力

── でも今回、中島さんが切り抜いたのは、水を操る最強格の異能者で国王の息子・アルコス。ユリアンとの戦いで力を誇示するような、見開きのコマです。少し意外にも感じたのですが、このコマを選んだ理由は?

あれ、意外でしたか?(笑) まず、一枚の絵としてすごくかっこいいなって。背景が黒で、白が際立つ感じがしますよね。スピード感のある激しいバトルシーンですが、このコマだけ水の粒一つひとつが丁寧に描かれていて、時間の進み方がちょっと違うような感じがして。この、“溜め”があることによって、また次のコマのスピード感がぐっと増しているところに、引き込まれました。

── たしかに、ここだけ時間も音も止まっているような感覚になります。やはり、“絵としてのかっこよさ”は、中島さんの中で重要なポイントなんですね。

たくさんあるシーンの中から一つだけ切り抜くとなると、やっぱり一枚絵として見てかっこいいコマを選びたくなりますね。これ以外で迷ったのは、別の戦いのなか、絶体絶命の状況でルーカスが切り札として持っていた槍を出すシーン。これも、とにかく絵がかっこいい......! 『ケントゥリア』は全体的に力強い画風ですが、そのなかでもとくに質量を感じるコマで、魅力的だなと思いました。

バトルシーンにかぎらず、表情にフォーカスすると、家族みんなで海辺で朝日を見るシーン(第12話7p)もいいし......。魅力的なシーンが本当に多いんですよね。でも一つ選ぶなら、やっぱりアルコスのシーン。一番好きなキャラクターはルーカスですが、じつはアルコスもその次に好きなんです(笑)。

── 敵を瀕死の状態にして苦しませながら、戦闘を楽しむというなかなかサイコパスなキャラクターですが......(笑)。

悪役って結構好きなんです。なんというか、洗練されているじゃないですか。主人公は、葛藤や挫折をしながら成長していく過程が現在進行形で描かれますが、悪役はその段階をすでにもう経験して今に至っているわけですよね。

いろいろなものが削ぎ落とされて、ある程度確固たる自分のようなものが定まった状態の佇まいというのは、主人公ともまた違った魅力があるなって。このアルコスも、登場からかなり悪にも振り切っていて存在感がありますし、作品の面白さを際立てる大事なキャラクターだなと思います。

── では、そんなアルコスのシーンを「切り抜きジャンプ+」で実際に切り抜いてみて、あらためていかがでしたか?

切り抜くだけじゃなくて、こんなにデコレーションできるとは知りませんでした! コマのトーンや雰囲気に合わせて、いろいろな楽しみ方ができそうだなって。今回は、ジャンプ本誌の紙に近い色を重ねるだけにしましたけど。

中島さんが「切り抜きジャンプ+」で作成した切り抜き画像

── セリフを入れるか入れないかに加え、集中線やスタンプなどたくさん試していただきましたが、最終的には一枚絵としてのかっこよさがそのまま活きるシンプルな加工になりましたね。中島さんらしい切り抜きを、ありがとうございます!

じつは今回の撮影が決まってから、世の中のみなさんがどんな風に切り抜いているのか、事前に少しチェックしていたんです。でも、同じ作品でも人によっていいと思うところが全然違って、すごく面白いなあって。今後も『ケントゥリア』の続きは追いかけるので、またお気に入りのコマを見つけたら「切り抜きジャンプ+」を使いたいなと思います!

取材・執筆:むらやまあき
撮影:野口花梨
編集:今井雄紀(株式会社ツドイ)
プロデューサー:金子大清(株式会社ツドイ)
ヘアメイク:齋藤悠

【衣装提供】
ブランド名:UNDERCOVER
お問い合わせ先:UNDERCOVER または アンダーカバー
〒107-0062 東京都港区南青山5-3-22 Bleu Cinq Point A棟 1F
TEL: 03-3407-1232

作品名
ケントゥリア
作者名
暗森透
奴隷船に密航者として、潜り込んだユリアンは、奴隷100人と大陸に向かい、自由を切望するのだが――……!?新時代ダークファンタジーバトル連載!!
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